ピジョン、マレーシアの代理店取得

「販売代理店→直営店」という移行の例。

社会の変化(特に、人口と所得水準)を見極めながら、

「いつ、どこに(都市レベルで)出るか?」
「代理店から直営店に切り替えるか?」

を意思決定していく。

加えて、

「現地を、どのようにマネジメントするか?」
「現地の人材(日本人、現地人、その他)を、いかに集めてきて、配置するか?」

ピジョン、隣国の代理店取得:出生率で日本2倍の市場開拓

ベビー・育児用品大手メーカーのピジョン(東京都中央区)は8日、子会社のピジョンシンガポールを通じて、マレーシアの販売代理店の株式を取得し子会社化(孫会社化)したと発表した。マレーシアで今後も安定した高い出生率が見込めることから販売会社を傘下に入れ、シンガポールでの成功事例を水平展開して同国市場の開拓を進める方針だ。

ピジョンの広報担当者は同日、NNAの取材に対し「マレーシアは経済成長も著しく、年間出生率も2.92人と日本の2倍で将来有望な市場と位置づけている。マレーシアでの売上高も年間10%前後の伸びをみせていることから、ピジョンシンガポールの傘下に置くことでさらに売上高の拡大を図っていきたい」と語った。

シンガポールでの高いブランド力やマーケティングなどのノウハウを生かした活動を子会社化を通して水平展開することで、需要の取り込みを強化する。売上高目標は来年春に発表する中期経営計画で明らかにする。

子会社化するのは、スランゴール州プタリンジャヤにある現地販売代理店のマヤ・トバで、全株式を取得する。買収額は明らかにしていない。来年1月1日の子会社化を予定しており、資本金は420万リンギ(約1億1,000万円)。育児用品や女性ケア用品の販売を手掛ける。買収後は「ピジョン・マレーシア」に改称する。マヤ・トバの年商は2009年実績で2,280万リンギ。

■12月に新社屋

ピジョンシンガポールの広報担当者は新子会社について「ピジョンシンガポールから社員を派遣する。また営業力強化に向け、今年の12月中に新社屋に移転する計画だ」と話した。マレーシア市場については「他国の市場に比べてベビー服など衣料品の売り上げが半分を占めているのが特徴。また各百貨店に対してコンサイメント(預託)方式で販売を展開。各売り場にプロモーターを配置することで売れ筋や動向などを把握することができている。これら同国市場ならではの強みを売り上げ拡大に生かしていきたい」と説明した。

ピジョンの今年1月期の海外売上高は185億円。アジアで売上高が大きいのは中国のほか、韓国、シンガポールインドネシア、台湾、タイ、フィリピン、インドの順でこれにマレーシアが続いている。


出所:NNA.ASIA